弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年5月 1日

日記

著者:中井貴一、出版社:キネマ旬報社
 私は残念ながら見れませんでしたが、映画『ヘブン・アンド・アース』に日本人俳優としてただひとり出演した中井貴一が中国における3ヶ月間の撮影状況を、日記にもとづいて再現した本です。ひどく悲惨な状況に心から同情しました。
 同じように中国映画『鬼が来た』の撮影日記を書いた香川照之の本『中国魅録』(キネマ旬報社)があります。私は『鬼が来た』の方は映画も見ましたし、映画の製作過程がリアルに再現されていますので、俳優って本当に大変なんだなーと感嘆しながら読みました。この『日記』の方は、映画の製作状況が少しは分かるものの、果たしてどんな映画なのかは、見ていないこともあって分かりにくいのが残念でした。
 それにしても、中国での生活は日本人の想像を絶するところがあるようです。そこで3ヶ月間ひたすら耐えた中井貴一は本当にえらいと感服しました。食べもの、トイレそして枕の話が出てきます。マイ枕を持参して、やっと眠れたとのこと。枕って、やっぱり大切ですよね。並みの精神力では、とてももたない苛酷で酷寒の環境のなか、途中、高倉健の電話で励まされたりして、なんとかやり通した状況は読む人の心をうちます。
 この7月に中国の敦煌あたりに出かける予定ですが、映画の舞台は、さらに奥地です。まさに辺境の地のようです。そんなところで中国語のセリフをしゃべって演じてというのです。弁護士なんて、それに比べると楽なものだと、ついつい反省もさせられました。。

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