弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年5月 1日

戦争映画100!

著者:大久保義信、出版社:光人社
 私は、たとえ「平和ボケの日本人」と罵倒されようと、平和主義者でありたいと願っています。でも、戦争映画はなるべく見るようにしています。これも世界の現実を認識するためには欠かせないものだと思うのです。スクリーンのうえで銃弾が飛び交っていても、決してこちらに飛びこんできて死ぬようなことはないという安心感もあります。
 中国大陸へ駆り出された私の父は、病気になって辛うじて生還しましたが、私に「戦争ちゃ、えすか(怖い)ばい」と語ってくれたことがあります。私も、本当にそうだろうと思います。私の青春時代にはベトナム戦争がありました。私も何度となくベトナム反戦デモに参加しました。夜遅く、東京の銀座通りを埋めつくすフランス・デモに参加したときの感動は今もはっきり記憶しています。
 「ワンス・フォーエバー」は、ベトナムのイアドラン渓谷におけるベトナム正規軍とアメリカ軍が初めて正面から戦闘した状況を再現したものです。「フルメタル・ジャケット」はアメリカ海兵隊の苛酷な新兵養成訓練を見せてくれます。「プラトーン」や「ハンバーガー・ヒル」はベトナム戦争の峻烈な現実を想像させてくれます。
 この本は、これらの映画の意義について戦争の実態をふまえて解説してくれます。まさに「軍事オタク」というべき著者のウンチクの深さに驚嘆します。
 第二次大戦を描く映画、そして最近の湾岸戦争を舞台とする「戦火の勇気」まで、軍事問題に関心をもつ人には必見の映画を見事に紹介しています。

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