弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年4月 1日

戦士の値段

著者:北井亮、出版社:太田出版
 イラクに派遣された自衛官が戦死したときには、2億5000万円の補償金が出るそうです。政府からの賞じゅつ金9000万円、首相からの特別褒賞金1000万円、イラク保険(1ヶ月1万5610円の掛け捨て保険。PKO保険)1億円、団体傷害保険(防衛庁共済団体傷害保険)2618万円、退職手当2170万円、葬祭補償138万円、埋葬料・弔意金64万円、戦地手当53万円、派遣手当48万円、夜間特殊業務手当1万円の合計です。ところが、これは一時金であって、このほか遺族補償年金として月に77万円が支給されるのです。遺族補償年金769万円、遺族共済年金55万円、遺族基礎年金103万円の合計です。
 自衛隊には24万人の自衛官がいて、5兆円ほどの年間予算を執行する世界有数の軍隊であることは争いようのない事実です。陸上自衛隊には、1020両の戦車、980台の装甲車、90機の対戦車ヘリコプター・コブラがあり、バズーカ砲も3190門もっています。自衛官の出身地として、九州・沖縄は28.5%を占めています。
 自衛官の処遇を知るための分かりやすいハンドブックです。

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