弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年4月 1日

コスモス・オデッセイ

著者:ローレンス・M・クラウン、出版社:紀伊国屋書店
 野球ボール大の原始宇宙では、1秒の1000兆分の1兆分の1で、銀河系の恒星すべてがその一生の間にうみ出すより多くのエネルギーが今日の原子ひとつの大きさの空間を通り抜けた。その結果、粒子は10億分の1秒ごとに何十億回も正体を変えることがあった。このとき、想像しうる粒子はすべて創造された。
 こんな文章が登場します。もちろん、私にはさっぱり理解できない状況です。でも、なんだか、すごいことが原始宇宙で起きたんだなというくらいは想像できます。
 私は昔から、夜空はなぜ暗いのか、疑問をもってきました。なぜなら、宇宙には無限の星があるわけですから、夜空を見上げたら、どの1点にも星があってまたたいているはずだからです。ところが、夜は暗く、星は数えられるだけしか見えない(もちろん、空のきれいなところでは無数の星が見えます)。
 実は、これは19世紀のドイツの天文学者オルバースが提起したパラドックスなのです。宇宙は有限であり、光の速さも有限なのだから、有限の距離の星の光しか人間は見ることができないから夜は暗いというのです。ふーん、なんだか分かったような分からないような説明です。
 我々は、みな星くずの子どもである。私たちの身体を形づくる原子は、それぞれ、かつて、ある恒星の内部にあった。そうなんだ・・・。星と人間は同じものなんだ・・・。 一度に人間が吸う息のなかに酸素原子は、10の22乗の6倍ある。すると、ユリウス・カエサルが殺されるときに吐いた息のなかにあった原子が、現代の私たちの吸う息に含まれる原子のなかにある確率は100分の99である。こんな計算がなされています。ほんまかいな。思わず、そう叫んでしまうような話が満載の本でした。私はよく理解できないながらも、そのスケールの大きさ、微小さに感嘆してしまいました。

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