弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年3月 1日

宇宙96%の謎

著者:佐藤勝彦、出版社:実業之日本社
 最新宇宙学が平易な語り言葉でビジュアルに紹介されています。なんとなく分かった気分になりました。もちろん、本当のところが理解できたはずもありません。
 月が地球を回るのは、お互いの間に万有引力が働いて、「引き合う力」と月がぐるぐる回ることによって生じる遠心力がうまく釣りあっているから。だから、月は遠くに飛んでいかないし、地球に落ちてこない。これがニュートンの古典力学の説明。ところが、アインシュタインの相対論によると、大きな質量をもった地球があることによって、地球のまわりの空間がゆがめられ、その空間の曲がりに沿って月がすすむので、月は地球のまわりを回っていると説明する。うーん、どういうことなんだろう・・・。
 現代の宇宙には「真空のエネルギー」が満ちており、それに働く斥力によって、宇宙には、加速度的に膨張している。真空は、量子論的真空では、電子と電子の反物質である陽電子がペアでポッと生まれては、また消えてしまう、対生成と対消滅をくり返す、激しくゆらいでいる状態なのだ。真空とは何もないのではなく、物質がもっともない状態、エネルギーが最小の状態なのである。
 宇宙空間にある暗黒物質(ダークマター)の量は26%、普通の物質と量をつくっている物質は4%、残り70%はダークエネルギーとなっている。では、ダークマターとかダークエネルギーの正体は何か?
 このあたりになると、さっぱり理解不能となってしまいます。それでも、たまには、こんな気宇壮大なことも考えて、日頃の対依頼者との悩みが、いかにちっぽけなものかに思いを至し、ウサを晴らしてみたいものです。

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