弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年2月 1日

明治日本の女たち

著者:アリス・ベーコン、出版社:みすず書房
 明治日本で英語を推していたアメリカ人女性による日本女性論です。
 今でも日本人は、結婚生活を必ずしも一生のものとは考えていない。夫と妻の双方から結婚を解消することができる。庶民は離婚に対して強い抵抗感もないので、結婚と離婚を幾度も繰り返す男性は珍しくない。女性だって、一度や二度離縁されても、再婚や再々婚することはしょっちゅうある。上流階級でも離婚は珍しくない。
 驚くべきことは離婚の数の多さではなく、お互いのことを誠実に深く思いやる幸せな夫婦がたくさんいることである。実際の生活では、妻は夫の収入をあずかり、家計を管理していることが多い。
 ここに書かれているように、明治日本こそ離婚率は最高だったのです。いま離婚率が増えたと騒いでいますが、明治日本の足もとにも及びません。明治日本の女性は忍従するのみだったというのは間違った思いこみです。

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