弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年1月 1日

マイ・ウイング

著者:佐野寿人、出版社:集英社
 先日、男鹿半島でパラグライダーが舞いあがるところを見てきました。次から次へ、風にふわりと乗って離陸していきます。気持ちよさそうではありますが、山頂から舞い上がるのですから、足元を見ると、すぐに高度数百メートルです。身震いしました。そうです。私は高所恐怖症なのです。ですから、飛行機に乗っても決して窓側の席に坐って外を眺めたりはしません。ジェットコースターなんて、あんなものは命を縮めるだけです。君子、危うきに近寄らずです。
 ハングライダーを日本で初めてつくった頓所好勝(とんどころ・よしかつ)氏の一生を描いた感動的な本です。戦前、中学しか出ていない頓所氏が独学でドイツ語を勉強し、ドイツの本で航空力学をマスターしてハングライダーを独力でつくりあげました。それを東京帝大出身の航空検査官が見て合格証書を与える話には心が震えるほど感動しました。
 初めてハングライダー1号機が空を飛んだのは1940年。2号機は1976年のことでした。それから、今やパラグライダーもあって、人間が軽々と空を飛べるようになったのです。人間って、すごいですね。。

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