弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2003年12月 1日

55歳から楽しむ人生、楽しめない人生

著者:石川恭三、出版社:三笠書房
 この12月、ついに55歳になりました。弁護士になって30年を過ぎ、本当に月日のたつのは早いものです。同世代の人たちが定年後の心配を早くからしていたのを他人事(ひとごと)のように聞いてきましたが、私も、この本のとおり、これからの人生のあり方を考えるべき年齢(とし)にはなりました。苦しいこと、辛いこと、自分が嫌なこと、人が嫌がることは、やりたくないし、しないようにする。「和顔愛語」、人に対しては和やかな顔と優しい言葉で接せよ、これを基本姿勢とする。
 本からの情報は、自分の意志で読むという能動的な行為があって初めて手にすることができるもの。読書する人がアルツハイマー病になりにくいのは、活字から伝わってくる刺激が脳を活性化させるから。好奇心は精神のバネの強さを表すバロメーター。心理的な老けこみの徴候は好奇心が薄くなること。
 60代後半になった著者は具体的な提案もいくつかしています。私もそのうちいくつかは実践しています。週1回の水泳、ガーデニング、月1回のハイキングそして大量の読書などです。自分史を書くのは早すぎると思っていますが、小説には挑戦中です。そこには創造の喜びがあります。いつまでも若いと言われてきましたが、そうは言っても、頭髪に白いものが目立ってきました。若さを保って健康であり続けたいものです。

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