弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2003年12月 1日

乱交の生物学

著者:ティム・バークヘッド、出版社:新思索社
 本の題名にギョッとするヒトは多いかもしれませんが、中味はすごく真面目な本です。もちろん人間を含めた動物の性を扱っていますが、生殖について深く考えさせられる具体的な実例が豊富にあげられていて、認識をあらたにさせられます。
 鳥類は、社会的には一雄一雌ですが、性的にも一雄一雌というわけではないことが今では明らかになっています。有名なオシドリもそうです。ただハクチョウは貞節を貫くようです。カマキリのオスは交尾しながらメスに食べられるという有名な話について、オスは自分が食べられないように全力をあげていることが明らかにされています。
 平均的な男性は1日に1億2500万個の精子をつくり出し、一生涯で2兆個になるそうです。七面鳥は1回に16億個、ブタは1000億個だというのです。なぜ、こんなにも多くの精子が1個ないし数個の卵子を受精させるために必要なのでしょうか?
 精子には欠陥が多く生じるし、精子競争に勝ち残れるもののみが子孫を残せるようにしたということのようです。それにしても数が多すぎますよね・・・。

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