弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2003年11月 1日

窒息するオフィス

著者:ジル・A・フレイン、出版社:岩波書店
 アメリカの企業はうまくいっているのか、ホワイトカラーをはじめ労働者はゆとりある生活をエンジョイしているのか。日本はひどいけど、アメリカはバラ色?いえいえ、決してそんなことはありません。
 1990年代にアメリカのホワイトカラーの職場は雇用が減らされ、仕事がきつくなり、給料や手当が下がり、休暇が減ってしまいました。休日出勤や在宅残業が増え、長期の休暇旅行は激減し、短い週末旅行が主流になっている。ホワイトカラーは、IT化によって夜も週末も休暇旅行中も、年中無休で週7日、24時間の待機(オンコール)状態にある。 オフィスの仕事もすべて入力操作が特別なソフトで監視され、家庭にもち帰らざるをえないほどの仕事量の多さになりつつあるプレッシャーと、いつ解雇されるか、いつ派遣と置きかえられるか分からない不安のなかで強いストレスをかかえ、過労死に至るような健康障害をもつホワイトカラーも少なくない。
 アメリカの企業は、人件費の抑制のため、非正規雇用の比率を高め、今では10%ほどになっている。えっ、そうなの・・・?その詳しい内容は、本書を読んでいただくしかありません。

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