弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2003年10月 1日

松本清張の時代小説

著者:中島誠、出版社:現代書館
 松本清張は40年の作家生活のなかで1000点の著作を世に出したそうです。私も、松本清張はかなり読んだつもりでいたのですが、それを知って、おっとっとと腰がよろめいてしまいました。学生時代に読んだ『昭和史発掘』シリーズなど、今でも読後の興奮を忘れることができません。世の中って、こんなことになっているのか。怒りをこめた驚きが私の身体の芯を貫いたのです。
 この本を読むと、実は、読んだつもりの松本清張をいかに読んでいないか、思い知らされます。もちろん、『西郷札』など、いくらかは読んでいるのですが、まだまだ読んでいない方が圧倒的に多いのです。
 北九州市にある松本清張記念館に一度だけ行ったことがあります。清張の作品が映画化されたものが、ビデオで紹介されていたり、清張の書斎が再現されていて、とてもいい記念館でした。独学で英語もできたという清張に少しでもあやかりたいと願い、私もフランス語を続けています。いずれフランス語でも小説を書いてみたいと思っているのです。

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