弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2003年10月 1日

ブッシュ家とケネディ家

著者:越智道雄、出版社:朝日新聞社
 ブッシュ大統領はろくに英語もしゃべれない、演説のときスピーチ原稿どおりならまともだけど、即興の話では初歩的な英文法も間違う。こんな話がもっぱらです。でも、この本を読むと少し印象が変わります。それも彼なりの演出だというのです。
 ケネディ家はアイルランド系カソリックでありながら、「疑似東部エスタブリッシュメント」の地位を獲得した。ブッシュ家は正真正銘の東部エスタブリッシュメントの出ながら、いち早く地方資本の雄、南西部資本に片足をかけ時代を先取りした。先日、カリフォルニア州知事に当選したアーノルド・シュワルツェネッガーの夫人はケネディ(JFK)の三女の娘です。そしてハリウッドで数少ない共和党支持のスターとしてブッシュ大統領お気に入りなのです。
 大統領就任式のとき、JFKは両親を端に追いやって隠し、ブッシュ父は母親の額にキスしたそうです。それだけ、JFKはアイルランド系カソリックならではの気のつかい方、ブッシュはWASPならではなお悠長さがあったというのです。日本人の私たちは、とても信じられない話です。それでも、それぞれ2世代、3世代となると「乱交」にふけったり、スキャンダル続きで困っているそうです。日本では、政治家の2世、3世が幅をきかせています。
 あの、とんでもない放言居士(都庁に出勤するのは週に2日から3日だそうです。あとは遊んで過ごしているのです)の2世が今度、大臣となりました。こんなことで日本は本当に大丈夫なのでしょうか。私は心配です。

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