弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2003年9月 1日

能力構築競争

著者:藤本隆宏、出版社:中公新書
 ニッサンはルノーの支配下に入って、フランス人のカルロス・ゴーンが社長となり、マツダもフォードに支配されてアメリカ人の社長になっている。もう、日本の自動車産業も斜陽化している・・・。そう思っていた矢先に読んだ本。いやいや、日本の自動車産業は世界のシェア30%を維持しているし、強いんだ。なぜ、こんなに強いのか、それを探ろう。この本はそう主張する。アメリカで日本車が強いのは、中古車価格が新車の半値もするからだ。なるほど、そうだったのか・・・。日本人は品質にうるさいだけでなく、デザインも型もきわめて細かい。その注文に応じながらコストダウンしていく。そのフレキシビリティーが日本の自動車産業にはあった。うんうん、そうだそうだ。よく分かる・・・。この本は、東大教授が難しい言葉で日本の自動車産業もまだまだ捨てたもんじゃないことを解説してくれている。

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