弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2003年9月 1日

何をやっても癒されない

著者:春日武彦、出版社:角川書店
 著者は産婦人科医として大学病院に6年間つとめたあと、精神科医になりました。なぜか?
 わたしをうんざりさせたのは、世の中にはいかに身勝手な人たちや「いい加減」で卑しい人たちが多いかという事実であった。子どもを道具か、せいぜいバービー人形程度としか捉えていない親の多さに呆れてしまった。こんな親たちの安易な発想や無分別な衝動に加担することに、わたしはつくづく嫌になった。分娩に立ち会った医師として「おめでとうございます」と言わねばならない。自己欺瞞も限界に達した。
 なるほど、なるほど・・・。納得した。
 それぞれの医者には、それぞれ特有のトーンをもった患者さんが集まるという経験的事実がある。これは、そっくりそのまま医者を弁護士におきかえてもあてはまります。心という不思議を考えさせてくれる精神科医によるエッセーです。

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