弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2003年8月 1日

蝶を育てるアリ

出版社:文春新書
 自然界は不思議なことだらけ。私は昆虫の話も大好き。この本は昆虫のさまざまな生き残り作戦を紹介している。
 事務所の前の街路樹でセミがうるさく鳴いている。木の根元にはセミが地中からはい出てきた穴がボコボコあいている。7年間も地中にいて、地上の生活はわずか1週間足らずというのがセミの一生。彼らの寿命の短かさにはかなさを感じる。ところが、この本によると、むしろ寿命が短かいことがメリットになることもあるという。人間の1世代を30年とすると、100万年の間に3万世代となるが、年1化の昆虫なら100万世代に達する。つまり、計算上は30倍のスピードで世代が変わるので、環境の変化にうまく適応できるから、生き残る確率が高くなる。
 このほか、小鳥が昆虫をどれくらい食べるのかという数字に驚きました。シジュウカラは一羽で1年間に昆虫を12万5千匹食べる。つまり、1ヶ月に1万匹、1日平均300匹以上を食べないと生きていけないのだ。道理で、小鳥は、いつもせわしく飛びまわっているわけだ。

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