弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2003年8月 1日

ニッポン監獄事情

出版社:平凡社新書
 こうだん(交談)、がんせん(願箋)、ふきしん(拭き身)、べんすい(便水)。塀の内側にのみ通用する業界用語です。
 日本の留置場は全国に1288ヶ所、年間のべ43万人、1日平均1100人が収容されています。刑務所は64、拘置所117、少年刑務所8、合計189の刑事拘禁施設があります。そこに1万5千人の刑務官が働いています。人員不足のため、いつも募集中です。
 これらの矯正施設は、年間110億円(うち刑務所は99億円)の作業収入を得ているのに、それをうみだした被収容者に支払った作業賞与金は、わずかに15億円でしかありません。搾取というより、まるで奴隷労働です。この本と『パリ・サンテ刑務所』(集英社)と比較してみてください。。

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