弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2003年6月 1日

裁かれるべきは誰か

出版社:現代人文社
 酪訂えん罪を主張する事件で有罪判決を受けた経過を本にしたものです。泥酔して駅で寝てしまった若いサラリーマンが隣で寝ていた他人を先輩と勘ちがいしてのお金をとった(借りた)ことが窃盗(仮眠盗)にあたるとして逮捕・起訴され、5ヶ月間の拘留のあと保釈されたものの、有罪判決を受けたという事件です。
 判決は、結審間際に福岡地裁小倉支部から転勤してきた若い女性判事補(6年目、30代前半)が下しました。その審理のすすめ方について、強い不満が表明されています。
 般の刑事裁判で無罪を勝ちとるのがいかに難しいか、この本を読むとよく分かります。幸い、この事件はその後、東京高裁で逆転無罪判決が出ました。ちなみに、私は無罪判決は2件しかもらったことがありません。

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