弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2003年5月 1日

ドキュメント裁判官

 読売新聞で連載されていた特集記事を本にまとめたものです(中公新書)。全体として、やや裁判官を美化しすぎという印象がぬぐえません。
 福岡の川本隆会員(最近まで福岡家裁の所長をされていました。少年付添の関係で弁護士会は大変お世話になりました)は、弁護士会が裁判官に対するステレオタイプの批判をしていることが気になると指摘されています。もっともな指摘です。しかし、裁判官たるもの、もっと現実を直視して、適正妥当な判断を勇気をもって示してほしいと願う弁護士がたくさんいる(つまり、裁判官の多くに不満をもっている弁護士が大勢いる)ことも現実です。
 福岡の杉山正士判事(26期、私と同期です)とか、鹿児島の吉田京子判事も登場し、鹿児島の向和典会員が吉田判事の下した決定を批判しているのも紹介されています。ビデオリンクの状況など役に立つ記事もあり、一読をおすすめします。

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